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佐々木 聡
技術士, 27(3), p.12 - 15, 2015/03
社会ではリスク概念が根付かず安全と安心を同一視する傾向がある。その現状の中で、科学技術の専門家は安全をどう確保し、それをどう伝えるかが重要な課題である。ここでは「安全」評価のありかたとその伝え方を考察し、福島第一原子力発電所事故後に、人々が「安心」を得るために技術士として何をなすべきかを考察した。
田辺 文也
サイアス, 5(3), p.22 - 23, 2000/03
原子力発電プラントのような巨大複雑システムの安全確保のために多重防護の考え方に基づき多層の対策が立てられてきた。しかしながらより一層の安全性向上のためには新たな発想をもとにした方策が必要である。なぜならば、想定したシナリオを超える事故が多々起こるからである。このような場合に、作業者はシステムの機能的構造及びその背後にある物理プロセスに対する深い理解をもとに、システム状態を正確に把握して創造的な対処策を編み出すことが要求される。それに必要な的確なメンタルモデルの形成を支援し、事故対処策の創出を支援するものとして、原研では生態学的インターフェースという新しい概念に基づいて、新しいマンマシンインターフェースシステムを開発している。
田辺 文也
日本原子力学会誌, 34(9), p.822 - 825, 1992/09
原子力発電プラントのような巨大・複雑システムにおいては、事故時に発生する事態を予め完全に想定して、備えをしておくことは原理的に不可能と考えられる。このような想定外の事態が発表した場合には運転員に独創的かつ適確な対処を行うことを期待することになる。こうした知的対処能力を運転/保守の専門家が獲得/維持することをどのように保証するかは、潜在的に公衆への大きな危険をもたらす可能性をもっている巨大・複雑システムの安全を維持するうえでの、最も重要なポイントの一つである。従ってAI技術等の活用により創り出されようとしているマンマシンインタフェースの知、即ち機械系の知は運転保守の専門家の運転操作活動を支援することはもとより、これら専門家が維持すべき知的対処能力の獲得・維持を支援することが重要である。